宇宙産業は大きく3つに分かれています。
- 宇宙輸送システム(ロケットとか発射とか)
- 宇宙システム(人工衛星とかハヤブサとか)
- 地上システム(人工衛星などを地上から観測、制御する)
ここからビジネスの分野で利用するときには、2の宇宙システム(各種人工衛星)で取得したデータを引っ張ってきます。
引っ張れるデータは様々で、例えば以下のものがあります。
- 通信、放送伝送路
- 気象観測データ
- 衛星測位データ
- 地球観測データ
- etc
わかりやすい例でいうと「地球の写真を宇宙からとることでいまどこに台風が発生しているのか」が地球規模で確認できます。
人工衛星データの利用例
- ギリシャの農家支援
- 農作物の育成状態を衛星で取得し、最適な収穫時期を教えてくれる
- エストニアの不正補助金支給問題の解消
- 管理された牧草地に対して補助金が支払われているが、管理していない牧草地も不正に申告されていた。管理の有無を人力で確認していたのでこれを衛星データからの監視に変更し自動化した
- 違法森林伐採の阻止
- 森林伐採の状態を衛星からデータ取得し、違法な森林の伐採を確認(ネスレ)
- 海洋産業の活性化
- 手動で行っていた海の深度を衛星から計測(浅瀬のみ)
AWSやSoftbankが狙う宇宙ビジネス
【AWSの場合】
AWS宇宙へ! アマゾンが衛星通信事業に参入。ロッキードマーティンと共同事業も
人工衛星からのデータの取得は、非常に大変です。金額的も手間的にも経験的にもです。また人工衛星は、各国でそれぞれもっているため利用のお作法も異なります。複数の人工衛星使わなければ楽なのでは?と思うかもしれませんが、人工衛星は周回しているものがほとんどです。そのためある特定のポイントのデータを常にとれるわけではありません。
すると、複数の衛星を使ってデータを取る必要があるわけです。
AWSがやろうとしているのは自前で大量の人工衛星を宇宙に打ち上げて、AWSから簡単にこれらのデータを取得できるようにするビジネスです。
【SoftBankの場合】
ソフトバンク、成層圏から通信ネットワークを提供する航空機を開発 ソフトバンクは全く異なるアプローチです。彼らが目指しているのは
>プレスから引用
HAPSとは、成層圏に飛行させた航空機などの無人機体を通信基地局のように運用し、広域のエリアに通信サービスを提供できるシステムの総称です。ソフトバンクは、HAPSを活用することで、山岳部や離島、発展途上国など、通信ネットワークが整っていない場所や地域に、安定したインターネット接続環境を構築することができます。
ソフトバンクは人工衛星からのデータを取得するなどではなく、NWの延伸を行うことを目標に掲げて行っています。
彼らの狙いはプレスにも以下のように書かれています。
また、現状の通信ネットワークと効率的に相互連携させることで、上空からと地上からの広域にわたるネットワークカバレッジが実現し、ドローンなどの活用につながるほか、IoTや5Gの普及にも役立てることができます。さらに、地上の状況の影響を受けることなく安定した通信ネットワークを提供できるため、大規模な自然災害発生時における救助や復旧活動への貢献も期待できます。
固定の基地局のように場所に縛られずにNW網を整備でき、ドローンを利用した物流の革新(空の販路)に大きく役立てようというところでしょうかね。
富士通クラウドテクノロジーのStarflake
https://fjct.fujitsu.com/press-release/20190712.html
Starflakeは面倒な人工衛星データの取得およびCSV化を行ってくれるサービスです。(人工衛星のデータの読み込みは専用ツールなどが必要)++++++++++++++++++++