AWS Direct Connect
AWS Direct Connect とは?
自分が持っている設備(オフィス、データセンターなど)からAWSへの専用ネットワーク接続を確立するためのAWSサービスです。
AWS Direct Connect は、お客様の内部ネットワークを AWS Direct Connect ロケーションに、標準の 1 ギガビットまたは 10 ギガビットイーサネット光ファイバケーブルを介して接続するサービスです。ケーブルの一端がお客様のルーターに、他方が AWS Direct Connect のルーターに接続されます。
Direct Connectの接続先ハードウェアが存在するのは、AWS Direct Connect のロケーション( 製品の詳細 - AWS Direct Connect | AWS)で紹介されている拠点です。
例えば日本では2018/01/16時点で以下の3か所に設置されています。
- アット東京中央データセンター、東京 (日本)
- Equinix OS1、大阪(日本)
- Equinix TY2、TY6 – TY8、東京 (日本)
AWS Direct Connetを利用するためには、まずロケーションにハードウェアを設置するところから始める必要がありますが、APNパートナーと呼ばれるAmazonビジネスをサポートする企業に発注することでロケーションにハードウェアを設置することなく自社拠点からのDirect Connectを実現してくれます。
利用メリット
以下の点でメリットがあります。
AWS固有のメリット
- AWSに直接データを転送するのでISPの帯域幅契約を減らすことが可能
- AWSとのデータの送受信がインターネット越しではなくなるため割引される
- Direct Connectは簡単に縮小・拡張可能なためVPNハードウェアと比較して容易にスケールできる
専用線であることのメリット
- インターネットにでないのでセキュアな通信が確保される
- 専用線のため安定したパフォーマンスがでる
使用可能なリージョン
「AWS Direct Connect の地理的リージョン」にて記載されている
2018/01/16時点で東京は使えます。
利用要件は?
ネットワーク要件 その1
自社の環境からAWS Direct Connectロケーションまでを専用線でつなぐ必要があります。方法は以下の3種類があります。
- 既存のAWS Direct Connectionのロケーションに専用線を引く
- APNのサービスを使う
- 独立系のサービスプロパイダを利用する
ネットワーク要件 その2
AWS Direct Connect への接続には、シングルモード光ファイバー、1000BASE-LX (1310nm) (1 ギガビットイーサネットの場合)、または 10GBASE-LR (1310nm) (10 ギガビットイーサネットの場合) が必要です。ポートのオートネゴシエーションが無効になっている必要があります。この接続上で 802.1Q VLAN がサポートされている必要があります。
ネットワークがボーダーゲートウェイプロトコル (BGP) と BGP MD5 認証をサポートしている必要があります。
金額は?
支払いは実際に使用した分のみです。最低料金はありません。料金はポート時間とデータ転送の2つに分けて請求されます。
- 各ポートタイプに対して消費されたポート時間
- データ転送量(AWSへのデータインは無料)
※VLANによる分割を利用した場合は、対象のインターフェース(ホスト仮想インターフェイス)を介したデータ転送に対してのみ課金されます ※APNを利用して利用している場合にはDirect Connectの設置料や利用料など+αされる場合もあるのでAPNに確認しましょう。
価格一覧は以下の資料参照
性能は?
帯域
1 Gbps と 10 Gbps のポートが利用できます。
50 Mbps、100 Mbps、200 Mbps、300 Mbps、400 Mbps、および 500 Mbps の速度は、AWS Direct Connect をサポートしている APN パートナーから注文できます。
それ以上に必要な場合は契約するポート数を増やすことで、帯域を増やすことができます。
※お客様が選択したポート速度の上限までは、データをどれだけでも転送することができます
セグメントの分割
専用線では802.1q VLANを利用して、専用線内を複数のセグメントに分けることも可能です。
※S3向けパブリックIPアドレスの通信とEC2向けのプライベートIPアドレス通信をどっちも使う
IPv4/IPv6
AWS Direct Connect では、IPv4 と IPv6 の両方の通信プロトコルがサポートされます。公共の AWS のサービスによって提供される IPv6 アドレスは、AWS Direct Connect パブリック仮想インターフェイスを介してアクセス可能です。
MTU
AWS Direct Connect は物理接続レイヤーで最大 1522 バイトの最大送信単位 (MTU) をサポートしています (14 バイトのイーサネットヘッダー + 4 バイトの VLAN タグ + 1500 バイトの IP データグラム + 4 バイトの FCS)。
懸念点は?
リモートリージョンでのパブリックサービスへのアクセス
自社拠点ー(Direct Connect)-東京リージョン
を本来使用しているときに、一部展開されていないサービスを使うために別のリージョンに接続しようとする場合(自社拠点ー(Direct Connect)-東京リージョンーオハイオリージョン
など)は、パブリック仮想インターフェイスをセットアップし、ボーダーゲートウェイプロトコル (BGP) のセッションを設定する必要があります。
制限事項
以下のリンクの「AWS Direct Connect の制限事項」にて記載されている箇所については、スケール時の考慮事項になると思います。